
おしっこのしつけ
トイレトレーニングの問題は多くの飼い主さんが頭を悩ますもの。犬が家にやって来た日から天寿を全うする日まで、切っても切れないのがトイレの問題です。「スワレ」や「マテ」などを教えるのは子犬が少し大きくなってからでも大丈夫。
しかし、トイレのしつけは子犬を連れてきたその日から始まります。 子犬を目の前に、「さぁて、トイレのしつけはどうしよう…」と考えるのではちょっと遅いですね。
犬と暮らすと決めたのなら、事前に、生活に必要なものを揃えるのと同時に、犬の習性や、基本的なしつけの仕方などについて情報を得ておきましょう。
以下のポイントに注意
- ポイント1:トイレをするタイミングを見逃さない
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子犬にはトイレをしやすいタイミングというのがあります。それは主に次のような時。
・ 寝て起きた後。
・ 食事をした後。
・ 遊んだり、興奮した後。
子犬の膀胱がおしっこでいっぱいになるのは、生後3週齢で45分、生後12週齢で90分、生後18週齢で2時間だそうです(『ダンバー博士の 子犬を飼うまえに』イアン・ダンバー著/レッドハート株式会社より)。
こうしたことを知っておくだけでもトイレトレーニングの役に立ちます。
これらのポイントを目安に、タイミングを見逃さないようにしましょう。
参考までに、犬がトイレをするのは単に生理現象のみではありません。
以下のような時にもおしっこやうんちをしますので、何かおかしいと思った時には病気や心理的なものが影響していないか注意してください。
・ 生理現象。
・ マーキング。
・ 緊張や興奮、不安などがある時。
・ 病気からくる影響。
など
- ポイント2:なるべく失敗をさせない
トイレトレーニングの一番のポイントは、なるべく失敗をさせないようにすること。
そのためにも、上記にあるトイレをしやすいタイミングというのはうまくとらえたいものです。
- ポイント3:上手にできたら充分に褒めてあげる
トイレが上手にできたら充分に褒めてあげましょう。ただし、トイレの最中に子犬の体に手を触れたりすると、神経質な子であればそれを嫌ったり、途中でトイレをやめてしまうようなこともあります。
犬にとってトイレをしている最中は無防備な体勢なわけですから、落ちついてできる環境を整えてあげましょう。
また、トイレをしている最中に、たとえば「おしっこ」とか「シーシー」などトイレを意味する言葉をかけると、その言葉を覚え、「おしっこは?」と言うだけで自分からトイレに行ってくれるようになりますので、そのご家庭なりの言葉を覚えさせてみてください。
- ポイント4:失敗した時には叱らない
いくらタイミングに気をつけていても粗相をしてしまうこともあります。そのような時には叱らずに、だまってさっさと片付けてしまいましょう。叱ると、トイレをしたこと自体がいけないの?と犬を混乱させてしまうこともあります。
粗相をした場合は消臭剤などでしっかり匂いを消して掃除をし、次の失敗を防ぎます。掃除をしている最中は、なるべくなら犬を離れたところにいさせ、その様子を見せないようにした方がいいでしょう。
- ポイント5:トイレは清潔を保つ
犬は清潔好きな動物です。トイレが汚れていたりすると、それだけで用を足したがらないことがあります。
トイレトレーニングがうまくいかない、粗相ばかりするという時、もしかしたらトイレが汚れていることが原因かもしれません。
トイレシーツはなるべくこまめに取替えてあげたいものです。
- トイレトレーニングの方法
さて、ここからはトイレトレーニングの仕方についてのお話です。
1: サークルを用意し、全面にトイレシーツを敷きます。サークルで囲むのは、なるべくトイレを失敗させないためです。片側にベッドを置いて、反対側にはトイレトレーを置きますが、寝場所とトイレとを混同させないように、ベッドとトイレとはなるべく距離を離します。そういった意味では、真ん中にしきりのあるタイプのサークルがお勧めです。中にはトイレトレーの段差を嫌がる子もいますので、最初のうちはトレーはなしで、トイレシーツだけでも充分トレーニングはできます。
2: 床の匂いを嗅いだり、くるくる回り出したりすると、それはトイレをしたいというサインですので、トイレ場所に誘導してあげます。なるべくなら子犬が自分の足でトイレ場に行けるように仕向けてあげるのがベスト。
3: 上手にできたら思い切り褒めてあげましょう。場合によってはおやつを少しあげてもいいと思います。
4: 暫く観察していると、好みのトイレ場所というのがわかってくると思います。汚さないトイレシーツ、つまりトイレ場所として使わないシートは少しずつ取っていき、トイレの場所を狭めていきます。最終的にトイレトレーと同じくらいの大きさの中でトイレができるようになることを目標にしてください。
5: 子犬をサークルから出して遊ばせる時には、最初のうちはサークルからあまり離れない場所で遊ばせるようにします。折角トイレの場所を覚えかけているのに、トイレに行きたいと思っても間に合わずに途中でしてしまうこともあります。こういった失敗はなるべく防ぎたいもの。充分にトイレまで戻れる距離から遊ばせるようにしましょう。様子を見て、徐々に遊ばせる範囲を広くしていきます。
6: トイレをしっかりと覚えたならば、トイレ場所自体を移動することも可能です。トイレシーツ(またはトイレトレー)を少しずつ移動させて目的の場所まで到達するようにします。
7: トイレトレーというよりトイレシーツをトイレと覚えさせることで、旅行など外出時にもトイレシーツ一枚さえあればどこでもトイレができるようになりますので便利です。
おしっこやうんちは健康のバロメーターでもありますので、その色や量、回数なども毎日チェックするようにしましょう。